iBMath
国立研究開発法人日本医療研究開発機構/文部科学省 研究開発施設共有等促進費用補助金
創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業:生命動態システム科学推進拠点事業
転写の機構解明のための動態システム生物医学数理解析拠点
Institute for Biology and Mathematics of Dynamic Cellular Processes The University of Tokyo
東京大学 生物医学と数学の融合拠点
特任助教
中田 庸一
Project Assistant Professor Yoichi NAKATA
所属: 東京大学 大学院数理科学研究科
専門分野: 可積分系、セルオートマトン

研究内容

セルオートマトンの厳密解の構造について

セルオートマトンは簡単な発展ルールながら豊富な構造を持ち、時には渋滞や生命現象といった事象を再現することが知られています。
しかしながらセルオートマトンについては微分方程式のような数学的なツールがほとんどないことから、大域的性質を調べることは困難です。
近年発見された超離散化と呼ばれる手法により、ある種の微分方程式からその性質を保ったセルオートマトンを得る手続きが得られました。
これまで私はそのようなセルオートマトンの厳密解の発見や、それらの構造について研究してきました。
今後はこれらの構造と他数学分野との関連性や、解析手法を生命科学で現れるモデルに応用する方法について研究していきたいと考えています。

発表論文

  1. Y. Nakata: "Vertex operator for the ultradiscrete KdV equation", J. Phys. A: Math. Theor., 42:412001 (6pp), 2009.
  2. Y. Nakata: "Vertex operator for the non-autonomous ultradiscrete KP equation", J. Phys. A: Math. Theor., 43:195201 (8pp), 2010.
  3. R. Willox, Y. Nakata, J. Satsuma, A. Ramani and B. Grammaticos: "Solving the ultradiscrete KdV equation", J. Phys. A: Math. Theor., 43:482003 (7pp), 2010.
  4. Y. Nakata: "Solutions to the ultradiscrete Toda molecule equation expressed as minimum weight flows of planar graphs", J. Phys. A: Math. Theor., 44:295204 (15pp), 2011.
  5. Y. Nakata: "Solutions to the ultradiscrete KdV equation expressed as the maximum of a quadratic function", J. Phys. A: Math. Theor. 46 (2013) 265203.
  6. Y. Nakata: "Solutions to the ultradiscrete KP hierarchy and its reductions", J. Phys. A: Math. Theor. 46 (2013) 465202.

口頭発表

  1. 超離散KdV方程式における頂点作用素, RIMS研究集会「可積分系数理とその応用」, はこだて未来大学, 2009年8月
  2. 超離散ソリトン方程式における頂点作用素と背景解, 九州大学産業技術数理研究センター第9回ワークショップ「離散可積分系・離散微分幾何チュートリアル」, 九州大学, 2010年2月
  3. 超離散KdV方程式の初期値問題を解く, 日本応用数理学会2010年年会, 中央大学, 2010年9月
  4. 離散凸二次関数の最大値として表される超離散KdV方程式の解について, 九州大学応用力学研究所研究集会 「非線形波動研究の最前線 --構造と現象の多様性--」, 2012年11月
  5. On simpli ed path-preference model, Joint iBMath and QGM workshop, Geometry and topology of macromolecule folding", Dec. 2013
  6. 単純化されたpath-preference model について, 数学協働プログラム「生命ダイナミックスの数理とその応用」− 数理科学と生物医学の融合, 2014年1月