特任研究員 | ||
小鳥居 祐香 | ||
Researcher Yuka Kotorii | ||
所属: | 東京大学 大学院数理科学研究科 | |
専門分野: | 低次元トポロジー,特に結び目理論 | |
研究内容
これまでの研究では、結び目理論の中でも特に絡み目のMilnor不変量を中心とする研究を行ってきました。絡み目とは有限個の閉じた紐であり、絡み目のMilnor不変量とは、絡み目の各成分同士がどれだけ複雑に絡み合っているかを図る一つの強力な指標です。
今後は結び目理論の手法を生命科学現象の研究に応用したいと考えています。結び目理論はDNAや高分子の長い鎖の構造の解析の一つの手法として以前から注目されており、特に転写時にDNAから発生するRNAの構造の解明への応用が期待されています。RNAの構造は実験データからは未だ十分な情報が得られていないため、結び目理論を用いた数理モデルを構築することによる解明を目指しています。
生物医学と数理科学とが融合した本研究拠点では、研究者同士の交流や意見交換、研究チームのコミュニケーションが重要であると考えます。他のメンバーとのチームワークを大切にし、関連する多くの生命学者や数学者からの様々な意見に耳を傾けることで、より良い研究成果が得られるよう努めたいと考えます。
原著論文
- Yuka Kotorii, The Milnor μ$\bar{\mu}$ invariants and nanophrases, Journal of Knot Theory and Its Ramifications, Vol 22 No 2, 2013.
- Yuka Kotorii, Finite type invariants for cyclic equivalence classes of nanophrases, Fundamenta Mathematicae, Vol 225, no. 211-228, 2014.
- Yuka Kotorii and Akira Yasuhara, Milnor invariants of length $2k+2$ for links with vanishing Milnor invariants of length $\leq k$, arXiv:math/1304.1870.