拠点概要
目的
高い分解能の転写過程の時系列計測の実現とその数理モデルの構築を推進する。
数理系出身者の雇用を促進し、異分野交流を加速、国際化を進める
若手中心の生命動態タスクフォースを確立、研究拠点を整備し、融合大学院をスタートさせる。
- 10倍以上の高い分解能の精密な転写モデルを作り、実験で検証し転写メカニズムを明らかにする。
メカニズムを利用した薬剤候補を産出し、国内を中心とした製薬メーカーと共同研究体制を確立する。
最初の融合大学院博士号取得者が研究開発に参加し加速化する。
- 新規の転写制御の方法を提案し、実験−理論−実験の検証サイクルからその有効性を実証し創薬開発、 新規計測機器の新たな発展を可能にする。
- トポロジーと代数幾何を合わせた代表者等の全く新規の方法論を適用して、新規の転写因子の結晶構造の改変の解析を網羅的に行い、従来では不可能な規模でリガンドによる変化を予測し、 新規創薬候補を抽出する。
教育研究拠点としての目標
現在各部局で先進的に検討が進められ試験的に実行されているシステム改革を 取捨選択し、拠点にふさわしい改革を行っていけるシステムを構築する。
- 数理科学研究科の博士課程教育リーディングプログラムを活用し、他の部局での履修を行う。
- 医学系研究科では、研究室への配属を原則としているが、数理科学に興味を持っている学生が潜在的に多く、部局横断的に共同で研究指導を行えるシステムが有効であるので、本拠点を通して、様々な履修形態を準備する。
- 先端研では、学内の部局が参加するネットワーク型の横断的組織を活用して、本拠点の活動への参加を促す活動を展開する。
- 雇用においても、共同研究機関からの共同研究費、成果での基金などの外部資金と、交付金、プロジェクト資金を統合的に扱うオープンラボとして安定的・長期的雇用をめざす。
課題の実施体制
推進体制と研究テーマ
推進する研究テーマ
転写の未踏の領域での動的機構解明
転写過程の高分解能時系列実験と数理モデリングとシミュレーション
遺伝子、エピゲノム、プロテオーム、クロマチンループ構造の時間変化
- RNA-seqによる遺伝子発現
- pre-mRNAの発現量
- ChIP-seqによるヌクレオソーム修飾
- 同 RNAPIIの遺伝子上の濃度分布
- ChIA-PETによるクロマチンループ構造における短い遺伝子における輸送
- RNAPIIのセルオートマトンによる自由流れと渋滞のシミュレーション
- 符号・復号理論、オートマトン
- 超離散系:箱玉系、整数論、位相幾何学、統計物理-熱力学、
- 可解系システム、非線形力学系、複素力学系
細胞の集団運動の実験とシミュレーション
多数の細胞移動の時間変化
- 刺激後の細胞の集団運動の時間変化による遺伝子発現との関連性
- エージェント・ベース・モデル
- セルラーポッツ・モデル
- 可解系システム/偏微分方程式
転写因子の蛋白質構造数理解析
蛋白質レベルでのリガンドによる構造変化の特定。構造改変と応答特性の選択
- 蛋白質構造の構造安定性とリガンドおよび周辺部位の水分子の分布と水素結合の変化
- 主鎖の空間の回転行列と変換、
- トポロジー、微分幾何学Ricci flow、
- ゲージ理論、量子群、Lie代数